小説家になろう今人気のジャンルは？データをもとに分析してみた

この記事は2023年11月28日時点の情報になります。(一部違います)

ふと、最近の小説において、人気のジャンルやトレンドというものはあるのだろうか？
と気になったため分析してみることにしました。

人気ジャンル・トレンド

まずは、以下の表を見てください。
これは、各年の1月1日～11月28日までのジャンル別新規小説投稿数、合計数、対前々年比を表したものです。

上記は、2021年のジャンル別新規小説数と比べて、2023年に増加したジャンルの中で特に気になったものです。この5つについては、増加していることから、書き手にとっては人気のジャンル・トレンドといえるのではないでしょうか。

特に、「推理」の153％は際立っています。これについては、おもしろいなぁと思ったことがあるので、後述します。

読み手にとっても、当然そのジャンルの小説数が増えれば、そのジャンルを見る機会が増えるはずですので、なんだか流行っているなぁと感じられると考えられます。

あれぇ？と思いませんか？
ハイファンタジー小説が減っています。
そして、エッセイ・・・なんでこんなに増えてるんや・・・。

異世界【恋愛】

小説家になろうの2023年11月29日時点のランキングを見てみると、異世界【恋愛】がほぼ上位を占めています。

上記は、異世界【恋愛】の小説が各総合ランキングの上位5位にいくつランクインしているかを示したものです。年間以外はほぼ独占状態です。

これが、何を示しているかというと、間違いなく、異世界【恋愛】はトレンド、人気のジャンルだということです。年間になるにつれ、数が少なくなっているのは、1年前はハイファンタジーの方が優勢だったからではないでしょうか。

もう少し時間が経つと、年間ランキング5位以内に異世界【恋愛】の小説が増える可能性が高いです。なぜなら、10位以内に異世界【恋愛】の小説は4つあります。

なぜ、このようなことになっているのかというと、アニメ化の影響が大きいと言えます。

上記は、2022年に小説家になろうからアニメ化された作品です。
まず、注目する点が2つあります。

1つ目は、ジャンル異世界【恋愛】の小説が複数、同年にアニメ化されたことが初めてだということです。

このジャンルが初めてアニメ化されたのは、2020年の「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」です。翌年2021年には「聖女の魔力は万能です」がアニメ化しています。
しかも、この2つ、2期まで放送されていることからも人気であることが分かります。

同年にアニメ化されたことからも、ジャンル異世界【恋愛】の人気が高まっている、トレンドになっていることが分かります。

2つ目は、2022年に再びタイトルに「悪役令嬢」という単語が入っている小説がアニメ化していることです。今まで、目立っていなかった単語が急に2つも出てくる。何か感じますよね。

2023年になると、「悪役令嬢」や「令嬢」といった単語がタイトルに含まれる小説のアニメが大量生産されています。4つもあります。ジャンル異世界【恋愛】を足すとさらに数が増えます。
これは、「令嬢ブーム」、「異世界【恋愛】」と言えそうです。

ローファンタジー

ハイファンタジーの年間新規小説投稿数は減っていましたが、ローファンタジーは増えています。
これは、2つのことが考えられます。

1つ目は、書き手がハイファンタジーに飽きてきたのではないかと思います。
私もハイファンタジーが大好きで、ハイファンタジー小説を読みまくっていたのですが、だんだん似たような作品ばかりだと思う時があったんですよね。
それからは、ローファンタジーのおもしろい小説を探したりしていました。

もう一つ考えられることは、異世界から現実世界にシフトしてきているということです。
以下の記事でも解説していますが、ラノベアニメにおいて、異世界要素は2010年頃から出てき始め、2014年の「魔法科高校の劣等生」から完全に「異世界シフト」が起こりました。

「なろう系」の特徴と「小説家になろう」について徹底解説！2000年代のラノベとの違いとは？

「小説家になろう!」のなろう系作品の特徴をラノベやアニメの歴史、社会的背景を交えて解説！懐かしいあの作品の名前も出るかも！？2000年代からの代表作も紹介します！なろう系が生まれた経緯が分かります。小説家になろうのサイトの特徴も解説します。

lightnovelranking.com

2023.11.21

来年でちょうど10年経ちますし、「現実世界シフト」が起こり得ます。

また、2000年代～2013年のラノベアニメは、学園、ラブコメが多かったです。
こちらについても、異世界【恋愛】ジャンルが台頭してきていることから、「異世界ラブコメシフト」が発生している可能性があります。

推理【文芸】

推理【文芸】については、153%も増加しています。何か理由があるはずです。
やはり、これについてもアニメ化が参考になりそうです。

これは間違いなく、「薬屋のひとりごと」の影響です。

理由は2つあります。

1つ目は、ジャンル推理【文芸】の「薬屋のひとりごと」が2023年にアニメ化したことです。このジャンルからのアニメ化は初めてのことです。

2つ目は、「薬屋のひとりごと」が人気だということです。ブラウザでの「薬屋のひとりごと」の検索ボリュームからもその人気ぶりが分かります。

「薬屋のひとりごと」の月間平均検索ボリュームは「10万～100万」です。
一般的な数字は「1万～10万」です。

ブームとまではいきませんが、今後も注目のジャンルです。

エッセイ【その他】

そしてエッセイですが、増加率も高いですが、もともと投稿数が多いことにも驚きました。

エッセイとは、基本的にはなんでも書いていいようなものです。
投稿数増加の要因として、1つ考えられることは、なんでも書いていいのなら、書いてみたいと思う人が増えた。ということくらいでしょうか。

すみません。今後もう少し分析してみます。

その他【その他】

やはり、これもエッセイと同じで、基本的にはなんでも書いていいようなものです。

やっぱり、読み手から、書き手になってみたいと思う人が増えたのでしょうか。
かなり気になるのでピックアップはしましたが、今後の分析課題をします。

ジャンル別年間新規投稿小説数ランキング

以下の表は、ジャンル別の1年間における新規投稿小説の総数をランキングにしたものです。
異世界【恋愛】上がっているなぁ、ヒューマンドラマ多いなぁ、推理が上がってきてるなぁといったことが分かると思うので、参考にどうぞ。

でもやっぱりハイファンタジー最強

以下の表を見てください。
これは、総合累計ランキング1位～100位＋157位の表です。
ほぼほぼ、ハイファンタジーで占められています。あえてハイファンタジー以外の小説のタイトルのみ記載しました。

こう見ると、ハイファンタジー以外の小説が歴戦の戦士、猛者に見えませんか？（笑）
この中に、食い込んでくるってめちゃくちゃ凄いことだと思います。

ちなみに、300位内(157位)に文芸唯一「戦国小町苦労譚」という小説があります。
まじ凄いと思います。

さいごに

いかがでしたでしょうか。
なるべく、数字をもとに分析、解説を行いました。
またこのような分析結果を投稿しようと思いますので、よろしくお願いします。